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美浜町日向(ひるが)で、この水中綱引きが行われるようになったのは、江戸時代初期の1630年頃であったと言われています。
 むかしむかし、日向湖と若狭湾をつなぐ運河に大蛇が出て川をふさいでしまい、舟が通れずに村人たちは大変困っていました。そこで村の識者に相談したところ、「蛇は自分より大きいものに恐れる性質がある。」というので、村人はワラで大きい綱をつくり運河に張っておきました。すると大蛇はその後出なくなり、村人は大変喜びました。そしてその縁起の良い綱に少しでも触れようと海中で引き合ったのが、この水中綱引きの由来として今も語りつがれています。
 一方、1635年に日向では浜が侵食されて舟を揚げるところがなくなったため、代わりに日向湖を舟だまりにしようと、時の小浜藩主酒井忠勝に陳情し、若狭湾と日向湖を結ぶ水路を開削してもらいました。その結果、湖が天然の良港となり舟や村を護り、またその後大漁が続いたため村人が大変喜んだとされています。そのことから、水中綱引きは、酒井忠勝による水路完成とその後の豊漁を祝ってはじめられたものと見られています。
 水中綱引き当日の早朝、威勢のいい掛け声とともに太さ30cm、長さ40mもの綱が練り上げられます。この綱は午前中に日向湖と日本海をつなぐ運河に渡され、またその周りには色とりどりの大漁旗が張り渡されます。
 午後2時ごろ、多くの見物客に見守られ、色とりどりのハチマキ、さらしの腹帯、パンツ1つという格好をした若者が、日向湖付近にかかるたいこ橋の欄干の1番高いところに上がり、寒風が吹き荒れる中、次から次へと水中に飛び込んでいきます。そして東西へそれぞれ泳いで分かれると、身を切られるような冷たい水で、全身を真っ赤にしながら、綱を切ろうと競り合い豊漁を祈願します。
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